パリ5人組@愛知県碧南市のエメラルドホール
パリ5人組の公演が、愛知県碧南市のエメラルドホールで行われました。 このエメラルドホールには、なんどコンサートグランドが4台(スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハ、カワイ)常設されており、今回はこの4台のピアノ全てを使って5人のピアニストが演奏するという企画でした。
パリ5人組のこれまでの公演はいずれも2台ピアノを使ってでしたから、4台となると私たちにとって初めてのことばかりでした。 通常、パリ5人組は1台のピアノを2人か3人で弾くので、連帯感や一体感を感じながら安心して弾くことができます。ところが今回は初めて1人で一台のピアノの前に座りました。ピアニストにとってピアノの前に1人で座ることは当たり前のことですが、パリ5人組としては「初めて味わう孤独」でした。
プログラムの後半、ムソルグスキーの「展覧会の絵」を弾いた時には、私は奥に設置されたカワイのピアノを弾いていたのでが、対角にあるスタインウェイとは音の立ち上がりや響きに時差があり、しかも時々聞こえなくなってしまう、、、という初めての恐怖を味わいました。オーケストラの管楽器の人が「ソリストの音が聞こえない」と言っているのを聞いたことがありますが、まさにだいたい私が今回座っている位置にいるのですよね。同じ舞台にいながら聞こえない音なんてあるんだろうか?と半信半疑でしたが、どういうことなのか体験して初めて理解しました。共演者の音が聞こえないのは、あまり心地良いものではありません。というか恐怖ですらありました。
リハーサルはギリギリまで調整が続き、本番どうにか皆の集中力でこの大作をまとめあげて弾き終えることができた時は、心からホッとしました。 アンコールには「くるみ割り人形」からトレパークを演奏。お客様に今回の演奏会の思い出を持ち帰って頂きたいという思いから、アンコールはお客様が自由に写真撮影や動画撮影をして頂けるようホールから許可を頂きました。
終演後はホールのホワイエでお客様達と会話を交わす時間もあり、「最高に楽しかった」「また来年も来て欲しい」「ボレロが素晴らしかった。ブラボー!」などなど声をかけて頂き、私たちが目指していた、ピアニストだけの一風変わった楽しい演奏会を堪能して頂けたことを嬉しく感じました。 4台のピアノを使っての演奏は、やはり2台でぎゅうぎゅう詰めの状態で弾いているよりずっと弾きやすく、それぞれの音の伸びも良いし、響きも広がりました。
4台、3台、と普段使う機会の少ないピアノをお持ちのホールがありましたら、「パリ5人組」が一度に全てのピアノを気持ちよく鳴り響かせ、楽しい公演をお聴かせしますので、ご要望があればコンタクトお待ちしております!